本流尺アマゴが釣れた事で一気に肩の荷が降りた気持ちで次は第二ミッションであるゴギを釣るべく太田川本流を離れ山を駆け上る。今回連れて来て貰った辺りは放流事業が殆ど行われていないらしく釣れるのはネイティブゴギだそうだ。
最初に降りた谷は最近雨が少ないせいか水位も低くコンディションとしてはあまり良く無いとの事。元々の川幅も広くない所だが中国地方でゴギを狙うと大体こんな感じの規模の渓流が殆どらしい。岐阜や長野などは太田川の本流サイズの流れの中に大きいイワナが居ると告げると羨ましいと重森氏が呟いた。
早速、USHIWAKAを投げるが全く魚が追ってこない。どれだけ前か分からないが人の足跡もあったので早めに場所移動。次の場所に着くまでも車の中で釣り談義に花が咲く。このまま延々と釣りの話だけで数日は広島に居れそうな気がする程楽しい時間だった。次の谷は入渓地まで30分程歩くと言うので水分と重森氏の奥さんお手製のオニギリを鞄に詰め込み出発した。
今度の谷は大きな岩が沢山ある男性的な渓流で、距離の無いピンスポットを打っていく釣りとなる。移動距離を短くしてその場でヒラを打たせる事の出来るBENKEIシリーズを凄く使い易いと普段から重森氏が言ってくれるのもこれで納得だ。入渓して直ぐ魚が居るか確認の為に投げた重森氏に元気なゴギがヒット。「いいなぁ〜いいなぁ〜」と覗き込むと、頭まで虫食い斑がしっかり見て取れる。正真正銘のゴギがそこにいた。
こちらも渇水のせいか餌追いが良い訳ではなかったが、それでもOMOWAZAをピンスポットで落とし込みアクションを掛けると僕にも人生初となるゴギが釣れてくれた。最初の魚は10数センチのとっても小さなゴギだったけれど、嬉しさはとても抑えきれない。写真を撮って前に進むと次はアベレージサイズの20cm程度のゴギが釣れた。その後も、いいぞいいぞとドンドン奥に吸い込まれて行く釣りキチ岐阜県民とその付き人。
距離の取れる広い場所ではUSHIWAKAもしっかり活躍してくれながら最終的に大きな滝壺の下まで辿り着いた。「あそこの岩盤が凄く深くなっていて大きいのが絶対に居るとこなんです」と重森氏。確かにここなら尺モノも身を隠すのに十分な水深がある。こそっとストーキングをして長くルアーをトレース出来る場所まで移動してキャスト。USHIWAKAを岩盤ギリギリに落とし込んでアクションを掛けると直ぐに反応があった。理想的な出方だ。引き寄せて直ぐに写真撮りに入ると同じ場所から今度は重森氏もUSIWAKAでゴギをキャッチ!なんとも言葉にならない程最高の気分だ。出来過ぎていてちょっと怖いぐらいだとさえ思った。
更に、この谷では面白いハプニングも起きる。
写真も撮り終え車まで帰る前の事。大嶋氏の作るEGOISTのリーフの動きを重森氏にも見せたいと思い、4cmリーフをキャスト。「こんな感じでラインスラッグを使って移動距離を短くさせながらヒラを打たせるんですよ」と話していると岩陰から黒い物体が一瞬ブワッと出て来てまた岩の影に戻って行ったのだ。思わず二人で顔を見合わせて「出ました..よね...」と同じ言葉が出る。更に同じ所にリーフをキャストしてアクションを掛けるとまたも真っ黒な物体が物凄いスピードで出て来て今度はリーフを引ったくった。「わっ釣れた!!」慌てて取り込んだのは今回僕のゴギ最高記録となる26cmの真っ黒な老齢魚と思われる個体だった。胸びれが見た事の無い程前に可動し、顔が大きく、目が白内障の様に薄白くなっていたのが印象的だった。
車に戻ると程良い時間になっていたので本流をちょっと突き、アマゴ一匹追加と大物2匹バラしで帰宅する事になった。今回、広島に来て何が良かったかと言うと自分が良い魚に出会えたのも然る事ながら、重森氏のフィッシングスタイルが僕と良く似ていると言う事が分かった事だ。川の歩き方、ポイントの見切りの早さ、自分で新しいポイントを開拓しようとするアグレッシブルさ、ついでに言うと細長い体に眼鏡で麦わら帽子など、とても他人と思えない程だった。最初は製作者の視点から僕なりの使い方を伝えようと思ったのだが、全くそんな心配が入らない程、schindlerルアーのポテンシャルを十分に引き出して使ってくれていたのが嬉しかった。
温かく向えてくれた広島の方々、本当に有難うございました。
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