2012年8月16日木曜日

僕らの夏休み

8月、バタバタしながらもなんとか三日程お盆休みが取れたので親友ヨシ君と飛騨方面へイワナを釣りに出かけた。本当は前日入りをしてテント泊をしながらののんびり釣行を予定していたのだけれど、あいにく前日から当日に掛けては雨。それも前日はかなり荒れた天気だった為、安全を考えて当日出発にしたのだった。

まだ夜も明けない時間に出発をして現地に到着したのが5時半ぐらい。想定はしていたが本流は濁りもキツく荒れていた為釣りにはならない状態だったので、水位変動の少ないポイントを探して入ってみる。しかし、最初のポイントは時間ばかり過ぎた割にお互い1匹ずつと絶不調だった。この区間のイワナは一瞬ルアーは追うもののルアーとの距離感が食って来る間合いではなかった。盆休みで釣り人の車も多く見られたので入れ代わり立ち代わり人が入った後だったのかもしれない。雨のお陰で人的プレッシャーがリセット出来ていると踏んだが考えが甘かったようだ。 



そこで気持ちを切り替え更に上流へ移動をする事に...

普段ならあまり人がやらないような水量の所が今なら水も出て活性も高くなっているのではないかと支流の支流に入り込んだのがそれが正解だった。苔の感じからするといつもより10cm程水量が増していて川通しをするのがギリギリの流速だったが元々の水深が深い訳でないので慎重に進めば前に行けない事もない。水も引き始めていたので期待を込めて第二ステージをスタートさせた。




車を降りて直ぐ、足場の高い場所から投げたヨシ君のオリジナルベンケイにイワナがヒット。20cm程度だったがこの沢の規模からすると妥当な大きさだろう。そしてここから前半戦の不調がウソのような巻き返しが始まる。二人して交互に投げるルアーめがけ面白いようにイワナがアタックして来る。サイズは18〜22cm程度とやはり大きくはないが流れの下から、流れのヨレから、白泡の中から、教科書通りの場所から理想的な出方をしてくれた。全てお腹はパンパンで落ちて来た虫、小枝、石など何でも口に入れているのだろうと容易に想像出来た。途中からは何匹釣ったか分からなくなる程の好活性ぶりだったのだ。



今回はあまりに流れが速過ぎたのと流れの下にルアーを入れなければ魚の反応が悪かったのでウシワカの出番は無かったけれど代わりにベンケイやオモワザが大活躍してくれ、やはりその場その場でルアーの使い分けをする事で更に魚に近づけるし、もっと釣りが戦略的になるのだと実感出来た釣行だった。


ヨシ君は僕がイワナの写真を撮っている数分の間にヤマメを2匹も連続で釣るなど久しぶりの釣りにしては十分過ぎる程満喫出来ていたのではないかと思うし、僕も僕で一番最後の滝壺ではオモワザの落とし込み&ボトムバンプ釣法で4キャスト4ヒットと思い描いた釣り方がバッチリハマった気持ちの良い一日となった。



昔は飽きる程毎日一緒にいた親友達も今はそれぞれに家庭を持ち忙しく自分たちの時間を歩いている。変わって行く現状と変わらない友情。これからも僕らの友情のそばには釣り糸が垂れている事をそっと願い僕らの夏休みは幕を閉じた。