2014年4月13日日曜日

サクラの花の咲く頃に



4月中旬、だいぶ出遅れてしまったがサクラの花の咲く頃にやっと今年初の鱒釣りに出かける事が出来た。仕事の忙しさもあり午後のみの釣行ではあったものの自分が思い描いた通りの展開で釣りが出来てかなり気持ちの良い幕開けとなった。

今年最初の渓流は長良川本流とそこに入る支流。3月後半から温かい日が続いた事もあり一気に春めいては来ていたが、流石に山奥の水はまだ身を切るような冷たさだった。今回の目的は取り合えず魚の顔を見る事と共に今季から導入した渓流ベイトでの釣りを自分の中で確立する事だ。数年前からユーザーさんと釣りをする機会に恵まれ、その中の数人がベイトアングラーだった事もあり何回か投げさせて貰ったのが渓流ベイトとのファーストコンタクトだったのだが、想像していた以上にベイトで渓流魚を狙う優位性を感じたのだ。

そんな事もあり渓流ベイトに興味を持ち始めていた頃、以前より交流のあった魚香竿(ウオカロッド)製作者の佐向氏が渓流用バンブーベイトロッドを発売した事もあり使わせて頂く事にしたのだった。


バンブーロッドを使ったのは始めてだったので実際ルアーを投げてアクションをさせてみるまでは全くどんな感じか想像も出来なかったが、このモデルは全体に柔らかいものの昔のバンブーロッドのイメージと違い全然ダルい柔らかさではなく軽いルアーでも竿のためを利用してストレスなく飛んで行く。

ベイトの為アキュラシー性能も抜群でスパスパと狭いスポットを狙える。かと思えば本流で65mm程度のルアーを投げてもこれまた全くストレスなくルアーは遠くへと飛んで行く。使えるルアーの幅がかなり広い。勿論、ベイトフィネス化の立役者であるAvail社製スプールの重要性も忘れてはいけないが、これには正直驚いた。

谷での釣果はと言えば、今年初フィッシュでいきなり尺上のイワナが釣れてくれた。それもなんとも完成された身体付きの綺麗なイワナだった。人の狙いにくい所を通してのキャッチだったのでサイズ以上にとても気持ちの良い一匹だった。その後違う谷で数匹イワナの顔を見たので夕マズメは長良川本流で終えようと谷を下る事に。




僕のホームグラウンドでもある長良川は南からやって来るサクラ前線と共にかなり長い期間サクラを楽しむ事が出来る。これは長良川の川沿いを走る国道156号に多くサクラが植えられている為で、サクラ街道としても有名だからだ。長良川を上流に向けて北上すると共に標高が高くなるので下の部落のサクラが終わっても上の部落のサクラが丁度満開と言う具合に少しずつ開花の期間がズレて長い間サクラを愛でながら釣りをする事が出来るのだ。


長良川本流ではウシワカ65のみで終始押し通してみた。このウシワカ65、サツキマスや本流アマゴの大型個体を狙う為に開発したのだが、何故か20cm程度の個体まで良く釣れてくれる。理由は良く分からないが嬉しい誤算だ。

この日もポイントに着いてから短時間のあいだに3匹の綺麗な20〜23cm程度のアマゴが竿をしならせてくれた。強い流れの中の一瞬よどんだスポットでレスポンス良く左右にロールしながら弾けるウシワカ65を引ったくり流れの芯を通って暴れるアマゴ達。しかし、3匹とも魚のパワーをロッドが吸収してくれるので全くバレる気がしないほど素直に魚が手元まで寄って来た。バンブーロッドの真骨頂を垣間みた夕マズメだった。





こうして2014年の渓流シーズンが華々しく幕を開けた。今年はどんな魚との、どんな風景との、どんな人との出会いが待っているのだろう。今年もいままで以上に騒がしく忙しい、何より楽しいシーズンになりそうな予感がしてならない。